京都大学大学院教育支援機構

Kyoto University Division of Graduate Studies

機構長挨拶 Greetings from the Director

大学院教育支援機構長

平島 崇男

 4月1日付けで大学院教育支援機構長に着任した平島崇男です。着任にあたり、以下にご挨拶申し上げます。

 本学の大学院は研究科等を単位として構成され、研究科等が研究者養成と高度職業人養成の機能を担い、それぞれの創意工夫の下に、その教育課程が運営されています。その一方で、本学の学部入学者の多くは、文系学部では学士課程修了時に、医薬系を除く理系学部では修士課程修了時に就職あるいは他大学への進学等で、京大を離れるという現実があります。その最大の理由は、修士・博士課程での研究に意欲を持っていても、進学することによって生じる経済的負担や学位取得後のキャリアパスへの不安が背景にあると分析されています。これら研究科単位での努力では解決が難しい課題に対応するために、令和3年10月に大学院教育支援機構が設置されました。

 機構の主な業務は、大学院共通教育・横断教育を企画・実施し、各自の専門性以外の多様なスキルの涵養を図り、学位取得後のキャリアパスの多様化を図ること。大学院生に対する経済的支援を充実させ、経済的理由で大学院への進学をあきらめる学生を減らすこと。さらには、京都大学の国際化を推進するために、留学生のリクルーティングや国際教育の支援を行うことなどです。

 令和3年度から始まった生活費相当額の経済支援で、令和5年度は約800人の博士課程学生がその恩恵にあずかっています。さらに、学位取得後の多様なキャリアパスを開拓するために、令和5年4月からアントレプレナー、教育力向上などを目指す教育コースが新たに開設され、どれくらいの学生さんが受講してくれるのか、受講した学生さんたちのコメントはどうなのか、不安と希望が織り交ぜられた気持ちで前期の終了を見守っています。また、グローバル展開オフィスではKyoto iUP (Kyoto University International Undergraduate Program)で蓄積したノウハウを活用して、留学希望者に対する手厚いサポートを充実させ、この約3年間のコロナ禍で停滞を余儀なくされた国際交流活動を再開すべく、活動しています。

 京都大学の学部生・大学院生の皆さんには、京都大学院教育支援機構の取り組みを上手に活用し、充実した博士課程生活を楽しむとともに、各自のスキルの多様化や国際化を図っていただきたい、、それこそ、機構の教職員一同の望みです。

 機構の活動について、不明な点や質問があれば、「お問い合わせ」から気軽にご連絡ください。