京都大学での学びと挑戦:3人のウクライナ学生が切り拓く未来
本学では、ウクライナの厳しい状況を受け、学術交流協定校であるキーウ⼯科⼤学およびタラス・シェフチェンコ記念キーウ国立大学からの学生受入れを表明し、現在12名のウクライナ学生を受け入れています。今回は、2022年に本学に迎え、現在2年目の生活を送るブラッドさん、キリロさん、イゴルさんの3名に焦点を当て、インタビューを通じて彼らの本学での学びや研究、そして将来の展望についてご紹介します。彼らは学問に情熱を注ぎ、充実した学生生活を送っています。
-ブラッドさんの学問への情熱と成長-
ブラッドさんは、本学での学びに深く感動していると語ってくれました。特に、医学研究科のVEALE Richard先生の指導のもとで取り組んでいる視覚的注意に関する研究は、彼の学問的好奇心を強く刺激しているとのことです。
「リチャード先生の指導のもとで、視覚認知のメカニズムを探る研究に日々取り組んでいます」と語るブラッドさんの目は、研究への情熱と喜びで生き生きと輝いていました。彼の研究は、医学とコンピューターテクノロジーを融合させたもので、人間の視覚的注意に関する実験を行っています。特殊なメガネを用いて視覚認知のデータを収集し、新たな知見を得ることに挑戦しています。ブラッドさんは、この先進的な研究環境を最大限に活用し、貴重な経験を積んでいます。
「プログラミングやデータ分析のスキルを磨きながら、視覚認知の新たな発見に挑戦しています」と自信に満ちた笑顔を見せ、研究の楽しさとやりがいを感じている様子が伝わってきました。本学の充実した設備と豊富なリソースにより、ウクライナでは体験できなかった最先端の研究環境を享受し、研究の楽しさとやりがいを感じています。研究室での活動を通じて、チームワークの重要性やビッグデータの分析方法を学び、将来の研究者としてのビジョンが一層明確になっています。卒業後は、修士号を取得し、自分自身の会社を設立するという目標に向かって邁進しています。
7月末には、ブラッドさんは福岡で開催された⽇本神経科学学会(NEURO2024)に参加し、ポスターセッションで自身の研究を発表する機会を得ました。「世界中の研究者と直接交流できたことは、私の研究に対する視野を大きく広げてくれました」と振り返ります。学会では多くのフィードバックを受け取り、それを今後の研究に生かしていくと意気込んでいます。ブラッドさんは、本学での研究活動を通じて、自分の専門分野における確固たる基盤を築いています。
-キリロさんの多面的な大学生活の充実-
キリロさんは、AIスタートアップでのアルバイトを通じて、実践的な経験を積んでいます。「キャンパス内で偶然見つけた求人がきっかけで、このアルバイトを始めました」と語るキリロさんの表情には、仕事への熱意が感じられました。AI技術の最前線に触れる日々は、教室で学んだ知識を現実のプロジェクトに応用する絶好の機会となっているといいます。「実際のプロジェクトを通じて多くの専門家とネットワークを築き、将来のキャリアに向けた実践的なスキルを習得しています」と、自信に満ちた表情で話してくれました。
本学での学びについては、「さまざまな分野の授業を履修することで、多様な知識を得ることに力を入れています」と話します。特に、日本語クラスでの学びは、彼の生活を大きく豊かにしているそうです。「日本語のスキルが向上し、日常生活でのコミュニケーションもスムーズになりました。日本語を使うことが楽しいと感じています」と語る彼は、異文化理解が深まったことを実感しているようでした。キリロさんは、この多角的な学びを通じて、自身の視野を広げ続けています。
-イゴルさんの実践と専門技術の深化-
イゴルさんは、キーウ工科大学で学んだ知識や本学での学びを、AIスタートアップでの実務経験を通じてさらに深めています。彼はプログラミングのスキルを実際のプロジェクトに応用することで、理論と実践の両面から学びを広げています。「学業で得た知識を現場で活かすことで、より具体的な技術力を身につけ、専門性を高めることができている」と語るイゴルさんの目には、充実感がにじんでいました。
-京都大学での経験が与える影響-
3人の学生たちは、本学での学びと活動が彼らの人生に与える影響を深く実感しています。この貴重な経験を通じて、専門的なスキルの向上はもちろん、異文化交流や多様性の重要性も学びました。彼らはこの経験が、将来のキャリアや研究において国際的な視野を持つための確固たる基盤を築くものだと確信しています。
また、本学での学びを通じて、彼らは自分自身の可能性を広げ、新しい挑戦に対する自信を深めています。本学での経験は学問だけでなく、人間的な成長を促すものであり、彼らの人生において大きな転機となっています。これからも彼らが新たな挑戦を続けていくことを心から期待しています。
-感謝のメッセージ-
3人の学生は、ウクライナ学生受入支援プログラムに対して深い感謝の気持ちを抱いています。このプログラムのおかげで、彼らは日本で貴重な経験を積み、キャリアや研究の第一歩を踏み出すことができました。彼らは、この経験が将来にわたって大きな影響を与えると強く感じており、寄付者や関係者への感謝の気持ちを述べています。
キリロさんは、「このプログラムが私たちの人生に大きな変化をもたらしていることを実 感しています。寄付者の皆様に心から感謝しています」と語り、ブラッドさんも「ウクライナにいるだけでは得られない貴重な経験をし、キャリアのスタートとして最高の機会を得ることができました」と感謝の意を示しています。イゴルさんは、「日本での学びが私の目標達成に向けて重要なステップであると実感しています。寄付者や関係者からの支援の大きさを深く感じており、その支援が私の成長に大きく寄与していることを感謝しています」と述べています。
彼らのメッセージは、日本の学生にも力を与えるものであり、異なる文化や価値観を尊重しながら未来を切り拓く姿勢が伝わります。これからも彼らの挑戦が続くことを期待しています。
-
2024.12.20 日本ガイシ株式会社との 企業寄附奨学制度 Career Nerworkng Festa! を開催しました
Kyoto University キャリア 京都大学 大学院教育支援機構 奨学金 就活 研究職 -
2024.12.16 大学院教育支援機構奨励研究員によるポスター発表会・研究交流会(11月分)を開催しました
ポスター発表会 京都大学 大学院教育支援機構 奨励研究員 -
2024.11.13 大学院教育支援機構奨励研究員によるポスター発表会・研究交流会を開催しました
ポスター発表会 京都大学 大学院教育支援機構 奨励研究員 -
2024.09.27 JICAインターンシップ・プログラム学内説明会を開催しました
キャリア 京都大学 大学院教育支援機構 -
2024.09.17 「JSTさくらサイエンス・インド大学生招へいプログラム」でインドのトップ大学生を迎えました
インド 京都大学 大学院教育支援機構 -
2024.08.1 京都大学での学びと挑戦:3人のウクライナ学生が切り拓く未来
-
2024.07.11 KU-STAR Program 成果発表会を実施しました
IIT internship KU-STAR Program Kyoto University research インド 大学院教育支援機構 -
2024.07.9 【KU-STAR Program】京都市長を表敬訪問しました
IIT KU-STAR Program Kyoto University research インド 京都大学 大学院教育支援機構 -
2024.06.27 TSMC Semiconductor Day at Kyoto University を開催しました
-
2024.06.17 【KU-STAR Program】島津製作所との包括連携協定に基づく企業訪問を実施しました
IIT internship Kyoto University research 京都大学 大学院教育支援機構 -
2024.06.13 Kyoto University Short-Term Academic Research (KU-STAR)Programを開始し、インドトップ大学から18名の学生を受け入れています。
India internship KU-STAR Kyoto University research インターンシップ インド 京都大学 大学院教育支援機構 研究 -
2024.02.20 大学院教育支援機構企業寄附奨学制度 企業&学生 交流会を2社と開催しました
Kyoto University research キャリア 京都大学 大学院教育支援機構 奨学金 就活 研究職 -
2024.01.30 「京都大学卓越ワークショップ2023」を開催しました。
Kyoto University 京都大学 -
2024.01.18 大学院教育支援機構企業寄附奨学制度 企業&学生交流会を3社と開催しました
Kyoto University research キャリア 京都大学 大学院教育支援機構 奨学金 就活 -
2023.11.10 大学院教育支援機構奨励研究員およびフェローシップ受給者によるポスター発表会・研究交流会を開催しました
-
2023.02.21 「京都大学卓越ワークショップ2022」を開催しました。
-
2023.01.31 「京大生のための半導体業界研究セミナー」を開催しました
-
2022.12.9 大学院教育支援機構奨励研究員およびフェローシップ受給者によるポスター発表会・研究交流会を開催しました